結花乃 『花一匁』インタビュー



“花”をコンセプトに、豊かな色彩を帯びた世界観を描き出すニューカマー、結花乃。

 

吐息のようなブレッシー・ボイス、透き通るクリスタル・ボイスを併せ持つ稀代のシンガー・ソングライター、結花乃(ゆかの)。 その稀有な才能から生まれる歌詞はすべて“花”をコンセプトに描かれ、豊かな色彩を帯びた世界観が特徴だ。9月7日に初のミニ・アルバム『花一匁(はないちもんめ)』をリリースする結花乃に、デビューに至るまでのエピソードや、アルバムについての制作秘話などを訊いた。

 

──このたび、初のミニ・アルバム『花一匁(はないちもんめ)をリリースする結花乃さんですが、音楽の原体験はいつ頃でしょうか?

 

私は子供のころからとても引っ込み思案な女の子だったので、人前で話をしたり、歌うということをしたことがなくて、カラオケに初めて行ったのも高校2年生の時なんです(笑)。

 

──結花乃さんの世代だと、カラオケは普通に生活の中にありましたよね?

 

カラオケに行っても絶対に歌わないタイプだったんですが、友達に「1曲くらい何か歌いなよ」と言われてやっと1曲歌うという感じで、歌ったのがEvery Little Thingの「fragile」でした。

 

──音楽の原体験は意外に遅かったんですね。

 

カラオケで私の歌を聴いた友達が、私の歌や声をすごく褒めてくれて、学園祭のバンドのボーカルとして誘ってくれたことが、音楽に目覚めたきっかけです。その時はaikoさんや絢香さんの曲をカヴァーして歌っていました。

 

──人前で歌ったこともほとんどない結花乃さんがいきなりステージに立ったわけですね。結花乃さんの声は、ホントにいい声ですからね。

 

普段、人前で話をするようなタイプでない私が、いきなりバンドのボーカルで出演するということで、周りの人たちからかなり驚かれました(笑)。2日連続で出演したんですが、多くの人の前で歌うということにかなり高揚感を覚えまして、音楽に本格的に目覚めたのは、この学園祭がきっかけですね。

 

──でも、結花乃さんはそのまま音楽の道には進まず、看護師を目指して大学に進学するんですよね?

 

看護師になるための大学に通いながらも、音楽への情熱はまったく冷めていなかったので、勉強をしながらボイトレのレッスンも続けていました。看護師になってからもボイトレは続けていたので、かなり肉体的にもきつかったですね。

 

──その後、看護師を辞めて本格的に音楽の道に進むわけですが、何かきっかけのようなものはあったんでしょうか?

 

私の担当していた患者さんは、病気が重い方が多くて、若くして亡くなっていく方もいらっしゃったんです。生きたくても生きることができない患者さんと接するうちに、もやもやした気持ちで仕事をしていることが、患者さんにも自分自身にも失礼な気がしたんです。もし、こんな気持ちで生きて行ったら、歳をとって絶対に後悔すると思って看護師を辞めることにしました。

 

──そこから、本格的に音楽を目指すようになったんですね。

 

患者さんたちは「やりたいことをやっておけばよかった」という思いが常にあって、患者さんから「やりたいことは、出来るときにやる」という大切なことを教えていただきました。看護師時代の自分があったからこそ、今こうして音楽が出来ているんだと思っています。

 

──普通の人にはなかなか出来ない体験をされてきたんですね……。

 

その後、看護師を辞めて、音楽の専門学校に通い始めるんですが、ライブ活動を始めるなかで、オーディション・ライブというのを受けるようになったんです。お客さんの投票で順位が決まるライブだったんですが、なかなか1位になれない時は、「私には才能がないんじゃないか」とつい思ってしまい、楽しいはずだった音楽がいつしか苦しくなってしまったんです。

 

 

 

──そんな原体験が、今回のアルバムのリード曲「花一匁」にも表れているような気がします。

 

そのオーディション・ライブで、カバー曲だと勝てないと感じて、オリジナル曲を作るようになりました。そのオーディション・ライブは1年半続けたんですが、オリジナル曲を発表するようになった時期に現在の事務所の方に声をかけていただきました。

 

──『花一匁』は“花”をコンセプトにしたアルバムですが、このコンセプトに関してはどのような感想をお持ちですか?

 

それまでの“結花乃像”というのは、何となくぼんやりとした印象だったので、“花”というコンセプトをいただいた時に、私の“核”のようなものがくっきりと見えてきたので、とても嬉しく思っています。

 

──ジャケットのイラストもすべて結花乃さんが手掛けているんですね。

 

私は、とにかく引っ込み思案な子供だったので、友達と遊ぶより、本を読んだり絵を書いたり、折り紙を折っているのが好きだったんです。ピアノや水泳や習字など、毎日習いごとをしていたので、コツコツと続けて来たことが現在に繋がっている気がします。習いことをさせてくれた親に感謝しなければいけませんね(笑)。

 

──タイトル曲の「花一匁」は他の曲にはない、強い意志を感じる曲ですね。

 

私は、ついつい周りを見て自信をなくしてしまうのですが、そのくせ「一番になりたい」と口に出して意思表示することも出来ないタイプなんです。でもこの「花一匁」という曲の中では、胸の内に秘めた強い気持ちを素直に表現できたのではないかと思っています。

 

──今回収録曲すべてが“花”をコンセプトに制作されたわけですが、結花乃さんにとって“花”とはどのような存在ですか?

 

“花”というコンセプトをいただく前から、歌詞を書いていると、自然に花に気持ちを投影して詞を書くことが多かったんです。今まで特に意識していませんでしたが、花というのは私の人生において必要不可欠な存在だったのかもしれません。

 

 

 

──そんな中で「黄色いヒヤシンス」は歌詞を書き直して苦労した1曲なんですよね?

 

この曲は“花”をテーマにすることで、急遽書き変えた詞なんですが、レコーディングまであまり時間がなくてかなり苦労しました。ですから、今まで以上に花に対しての意識が変わってきていますね。例えば、ヒヤシンスも色が違えば、花言葉もまったく違ってくるので。

 

──アルバムのラストに収録されている「また明日〜タイムスリップ〜」には向日葵の花が出てきますが、とてもいいバラードですね。

 

この曲には、看護師の体験を通じて感じた気持ちも投影されています。花というのは枯れてしまうからこそ、咲いている瞬間が美しい。それは、人生も言えることなんじゃないかなと思い、作った1曲です。

 

 

──結花乃さんは、今後も“花”をコンセプトに活動していくと思いますが、どのような歌を歌っていきたいですか?

 

花は季節ごとに咲くものなので、私の曲を聴いて下さった方が、季節を感じていただけるような歌を歌っていければと思っています。

 

──ついに本格的な活動が開始するわけですが、最後に意気込みを聞かせて下さい。

 

デビューするにあたり、いろいろな人のアイデアで“結花乃”という存在がブラッシュアップされたと思います。それは、自分への挑戦でもあったので、今はとてもワクワクしています。ぜひ、結花乃を応援して下さい。よろしくお願いします。