特集 古内東子Special Interview極上のデュエット・アルバム



素晴らしい皆さんと素晴らしい曲をデュエットさせていただいた事が

これからの私の活動の大きな糧になると思います。

 

90年代、「恋愛の神様」や「OLの教祖」と呼ばれ、世の女性達から圧倒的な支持を古内東子が現在の日本を代表するミュージック・レジェントたちと極上のデュエット・アルバム『Toko Furuuchi with 10 legends』を完成させた。今回、私がナビゲートを担当しているラジオプログラム<FEMALE VOCAL SELECTION「FEMME」>のスペシャルゲストにお迎えして特集番組を放送した。MUSICSHELFでは番組に入りきらなかった話題も加えて、最新アルバム『Toko Furuuchi with 10 legends』の話をたっぷりと語ってもらった。

 

――前回古内さんにお会いしたのが、2011年に発売されたアルバム『透明』のインタビューの時だったんですが、ついこの間な気がしますがもうすでに5年前なんですよね。

 

この5年の間には、20周年を迎えベスト・アルバムもリリースしましたし、プライヴェートでも変化がありました。

 

――デビュー以来、コンスタントにアルバムを発表し、すっかりベテランの域に入りましたね。

 

大波・小波はありつつですけれど、いつの間にか過ぎていた23年という感じですけどね。

 

――最近、すっかり春めいて来ましたが、古内東子さんの春の歌と言えば「Peach Melba」を思い浮かべるのですが、古内さんに初めてお会いしたのがこの曲が収録されているアルバム『Hug』の時だったので、とても思い入れの強い曲です。

 

この曲は1994年の曲なので、もう20年以上前の曲ですね。良くライブでも歌うんですが、こんなに長い間歌い続ける歌になるとは思いませんでした。

 

――この「Peach Melba」はファンの間でも人気のある曲ですもんね。ところで、今日の古内さんの気分で、古内さんの曲を1曲選ぶとしたらどんな曲になりますか?

 

季節的にもぴったりなので『PURPLE』という曲を選びます。この曲は、私自身もとても好きで、コンサートでもよく歌いますですが、とても自分らしい歌詞だと思っています。恋をしている時のバラ色の気持ち、そして恋をしている時のブルーな気持ちが混ざり合った時に<PURPLE>という色になるという、そんな歌詞です。ちなみに、今日のラッキーカラーがパープルなんですよ。毎朝、ラッキーカラーだけはチェックするんです。

 

――さて、3月30日に久しぶりのアルバム『Toko Furuuchi with 10 legends』がリリースになりました。このアルバムはデュエット・アルバムという事ですが、古内さんにとってデュエット・ソングというのはどういうイメージですか?

 

やはりデュエットというと洋楽というイメージですね。ベタベタなラブソングだと『エンドレス・ラブ』とかそのあたりですね。逆に日本の曲だと、演歌のイメージですね。『銀座の恋の物語』とか、そのあたりのデュエットを思い浮かべます。

 

――デュエットと言えば、古内さんはかつて『Winter Star』(1999)というアルバムの中でEPOさんとデュエットしている曲がありましたよね。

 

『意外と簡単に』という曲です。私自身がEPOさんを好きで良く聴いていたので、是非デュエットをご一緒にしてみたかったんです。ラテンのリズムで、女性同士のデュエットというのがとても楽しかった曲です。

 

――ニューアルバム『Toko Furuuchi with 10 legends』はとにかく豪華ですよね。もう豪華としか言いようがありません(笑)

 

カヴァーアルバムではありますが、ただのカヴァーアルバムではなく、全曲男性アーティストとのデュエットというコンセプトのアルバムです。しかもデュエットをする方の代表曲をカヴァーさせていただくという、何とも恐れ多い(笑)内容になっています。(8曲中 『LOVE SONGS feat.堂珍嘉邦』のみ古内東子のオリジナル曲)『ロンリー・チャップリン』以外は、デュエット・ソングではない曲なので、それをあえてデュエット・ソングにすることで、とても新鮮に聴こえますし、ビッグバンドのアレンジ(「たをやめオーケストラ」による演奏)なので180度原曲と雰囲気が違います。さらに進化したサウンドや声を聴いていただけると思います。

 

――この企画が持ち上がった時、古内さん的にはどんな事を感じられましたか?

 

だんだん膨らんでいった感じの企画だったので、結果的にここまで大きなものになってしまった(笑)という感じですね。

 

――男性アーティスト側も、古内さんとデュエットできてメロメロな感じだったんじゃないですか?

 

そういう美しい誤解は解かないようにしていただければ・・・(笑)。実際そんなことは全くなくて、レコーディングでは、みなさんとほぼ初対面でしたし緊張しました。さらにはお相手の大切な代表曲ですし、それらを汚さないようにと委縮していました。

 

――古内さんが邦楽のカヴァーをするイメージはあまりないんですが、改めて日本の曲を歌われてどんな感想をお持ちですか?

 

(今回カヴァーした曲が)多くの人に愛されている理由や秘密を知ったような感じです。歌詞も聴く人や、聴くシチュエーションによって解釈が変わってきますし、七色に光る言葉が散りばめられているような、そんなイメージです。

 

――今回アレンジはビッグバンドですが、何故ビッグバンドにこだわったのでしょうか?

 

デュエットという事で、グラマラスな雰囲気にしたかったんです。女性と男性が大きなマイクで、ドレスアップをして歌うようなイメージです。ミラーボールがキラキラしているようなステージにハコバンが居て、そういうイメージだとやはりサウンドは、ビッグバンド風なんじゃないかなと思いまして。

 

――ジャケットの古内さんもとてもステキですよね。格調高い雰囲気とでも言えばいいでしょうか・・・・

 

このジャケットの写真って、どこか未亡人っぽいですよね(笑)。私はデビューした頃からやたら大人っぽいと言われ続けて来たんですけれど、気が付いたら本当に大人な年齢になっていたので(笑)、ホントの意味で、大人の曲が歌えるようになれているといいんですけど。

 

――アルバムの1曲目が奥田民生さんとのデュエット『愛のために feat.奥田民生』ですが、いきなり意外なデュエットですね。

 

まったくデュエットっぽくないこの曲をデュエットにするというのも、意外性がありますよね。民生さんは常に飄々としていて、そこにいるだけで民生さんという感じでブレがないんですよね。ですから大船に乗った気持ちで、民生さんの世界に乗せていただいたという感じです。

 

――それぞれの曲に苦労があったと思いますが、特に苦労した曲はありますか?

 

今回の収録曲の中で『ロンリー・チャップリン feat.鈴木雅之』だけがもともとデュエット・ソングじゃないですか、あの感じをどういう風にビックバンドでアレンジするかが課題だったと思うのですが、結果ラテン調のかっこいいアレンジになったので、苦労のかいがあったんではないでしょうか?鈴木雅之さんは、とっても色っぽくて、ファンキーでソウルフルな歌声で、お人柄もとってもチャーミングでした。

 

――カラオケに行っても、男女のデュエットでわりと数が限られているじゃないですか。だから是非このアルバムの曲を女性と歌ってみたいですね。

 

この『ロンリー・チャップリン』というのは、お姉さま(鈴木聖美)以外では、レコーディングをしたのは私が初という事らしいです。是非このアレンジでもカラオケでデュエットしていただきたいですね。

 

――藤井フミヤさんの大ヒット曲でもあります、『Another Orion feat.藤井フミヤ 』ですが、元々、かなり難しい歌ですよね。

 

この曲はとてもメロディーが難しかったですね。とても素敵な歌詞なんですが、どういうシチュエーションか限定されない内容なので、デュエットで歌った時に、また違う解釈で聴いていただける1曲になったのではないかと思っています。

 

――『ベイビー・アイラブユー feat.TEE』は今回の収録曲の中では比較的新しい曲ですが、とってもいい曲ですよね。僕も大好きな1曲です。

 

いろいろな方がカヴァーされている曲ですし、TEEさんも相当歌われている曲だと思いますが、今回のアレンジで新たなTEEさんの魅力を引き出せたのではないかと、自負しております(笑)。

 

――ビッグバンドのアレンジをバックにラップをするというのも、実はとても斬新なかもしれませんね。あと、斉藤和義さんというのも意外な人選だったんですが・・・。(『Don’t cry baby feat.斉藤和義』)

 

斉藤和義さんは、実はデビューも意外に近くて、同じソロのシンガーソングライターという事でわりと接点があるんです。この曲は和義さんが私と一緒に歌いたいと、選曲して下さった1曲で、男女のデュエットで歌っても、とてもかわいらしくて素敵な歌詞なんですよ。

 

――『そして僕は途方に暮れる feat.大澤誉志幸』は名曲中の名曲ですよね。

 

この曲は80年代にカップヌードルのCMソングで流れていた曲ですけれど、当時このCMに衝撃を受けました。それまでのCMにはなかった、新しくてクリエイティヴなCMでしたし、曲も素晴らしくてその時からずっと好きな1曲でした。今回、目の前に居る大沢さんは、私が少女の頃から知っている大沢さんと全く同じ印象だったので、何だかとても不思議な感じでした。声もルックスも全然お変わりなくて。

 

――この曲はもはや日本のスタンダードナンバーですよね、いろいろな方もカヴァーしていますよね。

 

もともとイントロが印象的な1曲ですけれど、今回のアレンジはあえてそこは意識せず、ボッサな雰囲気のアレンジで歌わせていただきました。

 

――今回のデュエットで一番驚いたのは前川清さん(『花の時・愛の時 feat.前川清』)です。意外でしたが、素晴らしい人選ですよね。

 

前川清さんといえばクールファイブですけれど、クールファイブって演歌に比べてモダンなイメージでしたし、前川さんは他にもコメディアンな一面もあって、小さいころから応援させていただいて居ました。この曲『花の時・愛の時』は、実はうちの父親がカラオケでよく歌っていた曲で、モダンで素敵な曲なので大好きな曲だったんです。

 

――前川さんは、今回のお相手の中でも、レジェンド中のレジェンドですよね。実際、ご一緒にレコーディングしてみていかがでしたか?

 

優しくて腰が低くて、とても真摯な姿勢で歌に取り組んで下さいました。前川さんも、他のデュエットのお相手を見て豪華さに驚いていました。

 

――『LOVE SONGS feat.堂珍嘉邦』ですが、古内さんの楽曲(アルバム『PURPLE』に収録)ですけれど、何故この曲を選んだのでしょうか?

 

この曲は私自身とても好きで、コンサートで歌っている曲ですし、もともとビックバンドアレンジだった曲なので、1曲くらいはという事で自分の曲を選んでみました。

 

――堂珍さんとは、ケミストリーへの楽曲提供や、古内さんもフィーチャリング等で参加されているので、気心知れている感じでしょうか?

 

そうですね、彼もいつの間にか大人の男性になっていました(笑)。今回デュエットをしてみて、堂珍さんは歌を歌うために生まれて来た方なんだと改めて思いましたし、この曲は堂珍さんとキーが一緒なのでとても自然な形で歌えました。

 

――まるで、デュエットをするために書かれたんじゃないかと錯覚するほど、シックリとしていますよね。今後、是非このアルバムの世界観をライブで体感してみたいです。

 

はい、是非実現させたいですね。私にとってもかなり具体的な夢が出来たので、それはこれから活動をしていく上でのモチベーションにもなりそうです。

 

――改めて今回のアルバム『Toko Furuuchi with 10 legends』についてコメントをお願いします。

 

私はずっと一人で詞を書いて曲を書いて、歌うという事を20年以上続けて来たわけですが、ここにきて私にとって特別なアルバムを作らせていただき、素晴らしい皆さんと素晴らしい曲をデュエットさせていただいた事が、これからの私の活動の大きな糧になると思います。そして、デュエットして下さった皆さんのファンの方にも、是非聴いて頂きたいアルバムです。

 

アー写サブ_Toko Furuuchi with 10 legends――4月から、恒例の弾き語りライブが各地で開催されますが、どんな選曲になりそうですか?

 

春から初夏に向けての季節になりますので、しっとりと、かつ軽やかにという雰囲気でお届けしたいと思っております。パーカッションが入りますので、今までの弾き語りライブとは少し違う感じのものになるかもしれません。

 

――古内さんはかなり多くの楽曲を発表していますが、コンサートで歌う曲を選曲するのって

かなり大変な作業ではないですか?どのように選曲されているんですか?

 

季節的な事と、その時のバンドの編成です。あと、気分でしょうか(笑)。

 

――久しぶりに歌う歌が選曲されていると、ファンとしてはとても嬉しくなるんですよね。ライブっていいなと思います。

 

すべて私の大切な曲ですから、たまにあまり陽の目を見ない曲を選曲したりするんです。掘り出し物的な感じで(笑)

 

――その掘り出し物が聴きたくて、コンサートに足を運んでいるファンの方もいらっしゃると思います。もちろん僕もその一人ですが(笑)。

 

――最後にお聞きしたいのですが、新曲も含めた創作意欲はいかがですか?ファンとしましては、新境地・古内東子の世界を堪能したいと思っています。

 

今後、新たな気持ちでオリジナルを発表したいという気持ちは大きいです。今回こういう偉大なアーティストの方たちと組ませていただきましたので、それに恥じないようなものにしなければいけないと自分自身を奮い立たせています。是非、新作も楽しみにしていてくださいね。そして、是非私のライブにも、遊びに来ていただければと思います。