ガールポップ 90's



☆音楽ライター長井英治がセレクトした、90年代ガールポップアルバム 30選


PRISM/谷村有美(1990)

谷村有美、4枚目のオリジナルアルバム。シングル「6月の雨」収録。10曲中、5曲の作曲を、8曲の作詞を谷村有美自身が手がけている。 オリコン最高位4位のヒットに。

 



Vocalization/森川美穂(1990)

森川美穂6枚目のオリジナルアルバムは、東芝EMI移籍第一弾アルバム。キャッチコピーは「声心声力・ヴォーカル主義」。サウンドプロデュースはジョー・リノイエ。アニメ『ふしぎの海のナディア』オープニングテーマ「ブルーウォーター」収録し、オリコン最高位4位を記録している。

 



ヴァカンス、ヴァカンス/野田幹子(1990)

1987年にデビューをした野田幹子、1990年に発売された5枚目のアルバム。タイトル通り、ヴァカンスを意識した夏らしいポップなアルバム。シングル「8月の砂時計」「Travelin' Heart」収録。渋谷系アプローチのアレンジが印象的な1枚。

 



MY DEAR/平松愛理(1990)

全曲の作詞・作曲を手がけるシンガー・ソングライターであり、ガールポップ的な素質も兼ね備えた平松愛理の3枚目のオリジナルアルバム。シングル「月のランプ」「素敵なルネッサンス」収録。ミリオンセラーになった「部屋とYシャツと私」はこのアルバムからのシングルカット曲。

 



空と海の出逢う場所/相馬裕子(1992)


1991年にアルバム『Wind Songs』でデビューした相馬裕子のセカンドアルバム。ソニーから4枚のアルバムをリリースしているが、シングルは2枚しかリリースされておらず、ソニー時代はアルバムアーティストとして活動。”ガールポップ”のジャンルにふさわしいアーティストの一人。

 



モザイク/遊佐未森(1991)

ガールポップというジャンルに括れないほど、確固たる世界観を築いてきた遊佐未森5枚目のオリジナルアルバム。ほぼ全曲の楽曲を本人が手がけており、代表作の1枚と呼べる作品。映画『アルスラーン戦記』のテーマ曲『靴跡の花』を収録。オリコン最高位5位。

 



ROCK ALIVE/森高千里(1992)

森高千里、6枚目のオリジナルアルバム。 代表曲「私がオバさんになっても」を収録し、アルバムチャートの最高位3位を獲得。90年代の森高千里は多くのヒット曲を世に送りだし、95年のベストアルバム「DO THE BEST」はミリオンセラーを記録している。

 



BIRTH/久松史奈(1993)

1990年にデビューした、久松史奈の4枚目のオリジナルアルバム。ドラマの主題歌に起用され、TOP10入りを果たしたシングル「天使の休息」を収録。本作と、次作のアルバム『PLEASURE』は2枚連続でTOP10入りを果たすヒットに。鈴木彩子同様、ガールズロックのアイドル的存在だった。

 



どんなに打ちのめされても/橘いずみ(1993)

1992年にデビューした橘いずみは、全曲の作詞・作曲を自身で手掛けるシンガー・ソングライター。シングル「失格」で、女・尾崎豊の異名をとり、話題のアーティストになった。セカンドアルバムである本作は最高位36位だが、次作からは3作連続でアルバムをTOP10に送り込んでいる。

 



nice unbalance/馬渡松子(1993)

ドリカムのバックコーラスを経て、1992年にデビューをした馬渡松子のセカンドアルバム。フジテレビ系テレビアニメ『幽☆遊☆白書』のオープニングテーマに起用されスマッシュヒットになった「微笑みの爆弾」収録。

 



けがれなき大人への道/鈴木彩子(1993)

1990年に高見沢俊彦の書下ろし曲「独立戦争」でデビューした鈴木彩子4枚目のオリジナルアルバム。中村あゆみを思わせるハスキーボイスで歌われるロックサウンドが特徴。上田知華が作詞・作曲を手がけた楽曲を4曲収録。本作で初めてTOP20入りを果たし、次作の『BORO BORO』は初のTOP10入りをしている。

 



Sweet Love Songs/加藤いづみ(1993)

ドラマの挿入歌に起用されスマッシュヒットを放った「好きになってよかった」を収録した加藤いづみ、3枚目のオリジナルアルバム。ガールポップというジャンルの教科書のような正統派のアーティスト。本作は初のTOP10入りを果たすヒットになったが、次作のアルバム「skinny」もTOP10入りをしている。

 



HORIZON~地平線/区麗情(1993)

日本人と中国のクオーターとの間に生まれた区麗情。オリエンタルな雰囲気がなんとも言えない魅力を醸し出しているボーカリスト。デビューシングル「ドキュメンタリーフィルムみたい」や「あこがれて」など、どこか短編映画を観ているような錯覚に陥る。同年にデビューした古内東子同様、優れたボーカリスト。2000年までにソニーから、9枚のオリジナルアルバムを発表している。

 



愛の神様 恋の天使/井上昌己(1993)

ガールポップの代表格、井上昌己の7枚目のオリジナルアルバム。アルバムには未収録だが「恋が素敵な理由」のヒットで、本作が初のTOP10入りを果たすヒットに。組曲形式で構成された凝った編成のアルバム。今年、デビュー35周年を迎え、現在も精力的に活動を継続中。

 



Something Doing/峠恵子(1994)

1992年にデビューをした、シンガー・ソングライター峠恵子のセカンドアルバム。和製カレン・カーペンターと呼ばれた、澄み渡るようなボーカルが特徴のアーティスト。収録曲、「ひとさじの勇気」は フジテレビ系ドラマ『あすなろ白書』の挿入歌に使用され話題になった。

 



夢を眠らせない/松阪晶子(1994)

1993年にデビューした、松阪晶子のファーストアルバム。スマッシュヒットを放った「満月」を収録し、アルバムはTOP10入りを果たすヒットに。ハスキーな歌声が印象的なガールポップアーティスト。3枚のアルバムを発表後、表立った活動はしていない。

 



From My Heart/米光美保(1994)

東京パフォーマンスドール在籍時代から、篠原涼子と共に確かな歌唱力で活躍していた、米光美保のソロアルバム。角松敏生プロデュースを手がけ、彼女の声の艶や、切なさのエッセンスが余すことなく凝縮された名盤。次作のアルバム『FOREVER』も角松敏生プロデュース。

 



INNOCENT/石嶺聡子(1995)

石嶺聡子、ファーストアルバム。NHK新人コンテストで、尾崎亜美が書き下ろした「私がいる」を歌唱し優勝。紅白歌合戦出場の切符を手にしている。このアルバムから、カヴァー曲「花」がシングルカットされ最高位14位の大ヒットに。このヒットにより沖縄出身のシンガーのイメージが強くなってしまったが、確かな歌唱力で正統派のポップスが歌える数少ない実力派シンガー。

 



SATELLITE☆S/佐藤聖子(1995)

1992年にデビューし、ガールポップシーンをリードしてきた佐藤聖子4枚目のオリジナル。98年までに13枚のシングルと5枚のアルバムをリリースしたが、思うような結果を出すことができなかったのは残念。クオリティの高いサウンドは、近年の方が評価が高い。

 



Lady Generation 〜淑女の世代〜/篠原涼子(1995)

女性アーティス初のダブルミリオンを達成した「恋しさと せつなさと 心強さと」を収録した、 篠原涼子のセカンドアルバムは、小室哲哉プロデュース。1位を獲得する大ヒットアルバムに。

 



GO TO THE TOP/hitomi(1995)

3枚目のシングル「CANDY GIRL」で一躍ブレイクした、hitomiのファーストアルバム。小室哲哉プロデュースでありながら、全曲の作詞をhitomi自身が手がけており、彼女の出現でガールポップシーンは大きく変化した。オリコン最高位3位を記録。

  



LOVE BRACE/華原朋美(1996)

小室哲哉プロデュースで華々しくデビューを飾った華原朋美のファーストアルバム。自分の恋人のためにレーベルを発足し、大成功を収めたシンデレラストーリーがここに!最終的に250万枚という大ヒットを記録し、華原朋美は一躍時の人となった。

 



食物連鎖/中谷美紀(1996)

現在でも女優として大活躍している中谷美紀のファーストアルバム。サウンドプロデュースは坂本龍一。スタイリッシュでクールな世界観が、彼女のイメージにぴったりとハマった名盤。TOP10入りを果たすヒットアルバムに。

 

 



スーパーモデル/篠原ともえ(1996)

時代のアイコンとして一世風靡をしたシノラーこと篠原ともえのファーストアルバム。石野卓球がプロデュースを手がけ、渋谷系人脈によって制作された異色作。ガールポップと渋谷系の架け橋となった重要な作品。

 



I could be free/原田知世(1997)

1990年にフォーライフに移籍後、音楽性の高い作品を発表してきた原田知世、1997年のオリジナルアルバム。トーレ・ヨハンソンプロデュースでレコーディングされた本作は、渋谷系ファンからも支持され話題に。TOP10入りを果たすヒットアルバムに。

 



un/ともさかりえ(1997)

12歳の時に女優デビューし、1997年にシングル「エスカレーション」で歌手デビューした、ともさかりえのファーストアルバム。 デビューシングルに続き、本作もTOP10入りするヒットに。全曲の作詞を秋元康が手がけ、山口美央子、山口由子、上田知華らが楽曲提供している。

 



川本真琴/川本真琴(1997)

岡村靖幸プロデュースのシングル「愛の才能」でデビューした川本真琴のファーストアルバム。初登場1位を獲得し、ミリオンセラーを記録する大ヒットに。その後、大ヒットのプレッシャーから体調を崩し、メインストリームからは離れたが、現在も独自の活動を継続中。

 



Angelophany/石井聖子(1997)

岡本真夜プロデュースのシングル「ANNIVERSARY」でデビューした、石井聖子のファーストアルバム。3枚のシングルを岡本真夜が提供した他、鈴木祥子、高橋洋子、障子久美らの提供楽曲が収録されている。ちなみに彼女は女優の坂本スミ子の実娘。

 



Junior Sweet/CHARA(1997)

初のTOP10入りヒットとなった「やさしい気持」を収録した、5枚目のオリジナルアルバムは、初の1位を獲得する大ヒットアルバムに。渋谷系陣営が制作に参加した豪華な作品。ジャケットの男性の手は、当時のパートナーだった浅野忠信。

 



ARIGATO!/広末涼子(1997)

1996年にポケベルのCMで一躍有名になった広末涼子のファーストアルバム。「MajiでKoiする5秒前」「大スキ!」をはじめ、竹内まりや、岡本真夜、原由子、奥居香らがほぼ全曲を書き下ろした豪華アルバム。ガールポップの集大成とも呼べる1枚。

 



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